唇全体のカサカサに加えて、特に唇の両端、いわゆる「口角」が切れて痛む。そんな症状があるなら、それは単なる乾燥ではなく、「口角炎」という皮膚の病気かもしれません。口角炎は、唇の乾燥と密接な関係があり、放置すると食事がしみたり、口を大きく開けられなくなったりと、日常生活に支障をきたすこともあるため、早めの対処が必要です。口角炎は、唇の両端の皮膚に炎症が起き、赤み、亀裂、ただれ、かさぶたなどができる状態を指します。主な原因は、体の抵抗力が落ちている時に、口の中に常にいる「カンジダ菌」という真菌(カビの一種)が増殖することです。健康な時は問題を起こさないカンジダ菌が、免疫力の低下によって、皮膚が薄く、唾液が溜まりやすい口角で悪さをしてしまうのです。では、なぜ免疫力が低下するのでしょうか。その引き金となるのが、まさに「唇のカサカサ」にも繋がる、様々な要因です。例えば、疲労やストレス、睡眠不足は、体の免疫システムを弱らせる大きな原因です。また、偏った食事によるビタミンB2やB6の不足も、皮膚や粘膜の抵抗力を低下させます。特にビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれ、粘膜の再生に不可欠な栄養素です。これが不足すると、口角炎や口内炎ができやすくなります。さらに、乾燥した唇を舐める癖も、口角炎の誘因となります。唾液によって口角が常に湿った状態になると、カンジダ菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまうのです。また、合わない入れ歯や、歯磨き粉のすすぎ残しによる刺激が、口角炎の原因となることもあります。もし、唇のカサカサとともに、口角が切れてなかなか治らない、という症状が続く場合は、まず生活習慣を見直してみましょう。十分な休息と、ビタミンB群を多く含むバランスの取れた食事を心がけることが、根本的な改善に繋がります。症状がひどい場合は、皮膚科や歯科を受診すれば、抗真菌薬の塗り薬などが処方され、早期に改善することが可能です。
唇のカサカサは口角炎のサインかも