突然の上唇の腫れに気づいた時、病院へ行くべきかどうかの判断と同時に、少しでも早く腫れを引かせ、悪化させないための応急処置を知っておくことは非常に重要です。パニックにならず、いくつかのポイントを実践してみましょう。まず、最も基本的で効果的なのが「冷やす」ことです。清潔なタオルで保冷剤や氷を包み、腫れている上唇に優しく当てます。冷やすことで、血管が収縮し、組織に漏れ出す水分の量を抑え、炎症を鎮める効果が期待できます。ただし、直接氷を当てたり、長時間冷やし続けたりすると、凍傷のリスクや血行不良を招く可能性があるので、心地よいと感じる範囲で、断続的に行うのがポイントです。次に、「刺激を与えない」ことを徹底します。腫れている部分が気になって、指で触ったり、揉んだりしたくなりますが、それは絶対にやめましょう。物理的な刺激は、炎症を悪化させ、腫れを長引かせる原因となります。食事も、硬いものや熱いもの、香辛料などの刺激物は避け、お粥やスープ、ゼリーなど、口を大きく開けなくても食べられる、柔らかく、刺激の少ないものを選びましょう。飲み物は、コップから直接飲むと唇に負担がかかるため、ストローを使うのが賢明です。また、アレルギー反応が疑われる場合は、その原因となった可能性のある食べ物や薬の摂取を直ちに中止します。もし、特定の食べ物を食べた直後に腫れたのであれば、その食品名を覚えておき、後で医師に伝えることが重要です。そして、何よりも「安静」を心がけましょう。疲労やストレスが引き金となっていることも多いため、無理をせず、リラックスして過ごすことが、体の回復力を高めることに繋がります。これらの応急処置は、あくまで症状を緩和し、悪化を防ぐためのものです。腫れが引かない、あるいは他の症状が現れた場合は、必ず医療機関を受診するようにしてください。
突然腫れた上唇を早く治すための応急処置