物心ついた頃から、私の横顔のコンプレックスは「しゃくれた顎」でした。集合写真では、いつも無意識のうちに少し顎を引き、口元を手で隠すのが癖になっていました。友人たちから直接からかわれたわけではありませんが、「受け口」という言葉に敏感に反応し、自分の横顔が映る窓ガラスを避けて歩くような、そんな思春期を過ごしました。食事の時も、前歯で麺類をうまく噛み切れず、奥歯で無理やりすり潰すようにして食べるため、人よりも食べるのが遅いのが悩みでした。サ行の発音も苦手で、話す時に息が漏れるような感覚があり、コミュニケーションにどこか消極的になっていたように思います。高校生の頃、親に相談して初めて矯正歯科の門を叩きました。精密検査の結果、私のしゃくれは、下顎の骨が過剰に成長した「骨格性」のものであり、根本的に治すには外科手術が必要だと告げられました。手術という言葉に恐怖を感じ、その時は治療に踏み切ることができませんでした。しかし、大学生になり、将来のことを真剣に考えるようになった時、このままコンプレックスを抱えて生きていくのではなく、自分を変えたいと強く思うようになりました。そして、二十歳を過ぎた頃、ついに外科的矯正治療を受ける決意をしたのです。治療は、まず手術の前に、歯並びを整えるための術前矯正から始まりました。約1年半、ブラケットをつけて歯を動かす日々は、食事の不便さや見た目の問題など、決して楽なものではありませんでした。そして、いよいよ手術の日。全身麻酔から覚めた時、自分の顔が腫れ上がっていることに驚きましたが、それ以上に、顎が正しい位置に収まっているという感覚に、静かな感動を覚えました。術後の回復期間は大変でしたが、日に日に腫れが引き、新しい自分の顔と噛み合わせに慣れていく過程は、希望に満ちたものでした。治療が全て完了し、装置が外れた日。鏡の前で見た自分の笑顔は、以前とは全く違う、自然で自信に満ちたものに見えました。前歯でパスタを噛み切れた時の小さな感動は、今でも忘れられません。治療は、確かに長く、大変な道のりでしたが、私が得たのは、単に美しい横顔だけではありません。コンプレックスから解放され、何事にも前向きになれた、新しい自分自身でした。