口の中でも、特に、頬の内側(頬粘膜)は、うっかり噛んでしまいやすく、口内炎が、非常によくできる場所の一つです。食事のたびに、歯が当たって痛む、あの不快感は、本当に憂鬱なものです。この、頬の内側にできる口内炎が、頻繁に繰り返される場合、その背景には、「ストレス」と、それに伴う「胃腸の不調」が、隠れている可能性があります。頬の内側は、東洋医学において、「脾(ひ)」や「胃」といった、消化器系の状態を反映するエリアと考えられています。強いストレスを感じると、私たちの体は、まず、消化器系の働きを、後回しにしようとします。自律神経のうち、体を緊張させる「交感神経」が優位になり、胃酸の分泌が過剰になったり、逆に、胃の動きが鈍くなったりするのです。これにより、胃もたれや、胸焼け、食欲不振といった、いわゆる「ストレス性胃炎」のような症状が引き起こされます。胃腸の機能が低下すると、食べ物からの栄養素の吸収効率が悪くなります。特に、皮膚や粘膜の健康を維持するために、不可欠な「ビタミンB群」が不足しがちになります。ビタミンB群が不足すると、粘膜のターンオーバー(新陳代謝)が滞り、粘膜そのものが弱くなってしまいます。この、弱った頬の粘膜は、ささいな刺激でも傷つきやすくなり、口内炎の温床となるのです。また、ストレスは、無意識のうちに、歯ぎしりや、食いしばりを引き起こすことがあります。睡眠中に、強い力で歯を食いしばることで、頬の内側の粘膜が、歯に強く押し付けられ、朝起きると、白い線のような跡(圧痕)がついていることがあります。この、慢性的な圧迫や摩擦も、頬の粘膜を傷つけ、口内炎ができやすい原因となります。さらに、ストレスから、食事を急いでかきこむように食べたり、よく噛まずに飲み込んだりすることも、頬の肉を、うっかり噛んでしまうリスクを高めます。もし、あなたが、頬の内側に、口内炎ができやすいと感じているなら、それは、あなたの胃腸が、ストレスによって、悲鳴を上げているサインかもしれません。スパイシーなものや、脂っこいものを避け、消化の良い、温かい食事を、ゆっくりと、よく噛んで食べること。そして、何よりも、ストレスの原因と向き合い、心と体を、リラックスさせてあげることが、しつこい口内炎を、根本から治すための、最も大切な処方箋となるのです。
頬の内側の口内炎。ストレスと胃腸の不調が原因かも