上顎に口内炎ができてしまった時、痛みを少しでも早く和らげるために、市販薬は心強い味方となります。しかし、上顎は薬が塗りにくく、唾液で流れやすい場所でもあるため、薬の種類と使い方を工夫することが効果を高める鍵となります。市販の口内炎治療薬には、主に「軟膏タイプ」「スプレータイプ」「パッチ(貼り薬)タイプ」の三種類があります。それぞれの特徴を理解し、上顎という場所に最適なものを選びましょう。まず、一般的な「軟膏タイプ」は、指や綿棒で患部に直接塗る薬です。粘膜への付着性に優れていますが、上顎の奥の方など、指が届きにくい場所には塗るのが難しいという難点があります。使用する際は、まずティッシュなどで患部周辺の唾液を軽く拭き取ってから、清潔な指や綿棒で薬を乗せるように塗布すると、付着しやすくなります。次に、「スプレータイプ」は、ノズルを患部に向けて噴射するだけでよいため、手が届きにくい上顎の口内炎には非常に便利です。殺菌成分や抗炎症成分が広範囲に行き渡りますが、液体であるため唾液で流れやすいという側面もあります。食後や就寝前など、しばらく飲食をしないタイミングで使用するのが効果的です。そして、上顎の口内炎に特にお勧めしたいのが「パッチタイプ」です。これは、薬効成分が含まれた小さなシールを患部に直接貼り付けるものです。最大のメリットは、薬の成分が長時間患部にとどまることと、シールが物理的なバリアとなって、食事などの刺激から患部を保護してくれることです。これにより、痛みが劇的に和らぐことがあります。貼る前には、軟膏と同様に患部の唾液を拭き取っておくと、剥がれにくくなります。どのタイプの薬を使うにしても、使用前には必ず説明書をよく読み、用法・用量を守ることが大前提です。自分の症状やライフスタイルに合った薬を上手に活用して、つらい期間を乗り切りましょう。
上顎口内炎に効く市販薬の上手な使い方