食事中、うっかりガリッと上唇を噛んでしまった。その瞬間の鋭い痛みと、じんわりと広がる血の味。誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。この「噛んでしまった傷」を、後につらい口内炎へと発展させないためには、直後の正しいケアが非常に重要になります。まず、唇を噛んで出血してしまったら、慌てずに清潔なガーゼやティッシュで傷口を数分間、優しく圧迫して止血しましょう。ほとんどの場合、この圧迫止血で血は止まります。口の中なので、唾液で自然に洗い流されますが、気になる場合は清潔な水で軽く口をすすぐのも良いでしょう。ただし、イソジンなどの刺激の強い消毒薬でうがいをするのは避けてください。傷口の治癒を妨げてしまう可能性があります。血が止まったら、ここからが口内炎予防の本番です。傷ついた粘膜は、いわば無防備な状態。ここに口の中の細菌が感染することで、炎症が悪化し、口内炎へと発展します。そのため、とにかく「口の中を清潔に保つ」ことが何よりも大切です。食後は必ず歯磨きやうがいを行い、食べカスが口の中に残らないようにしましょう。歯磨きの際は、傷口に歯ブラシが当たらないように細心の注意を払ってください。そして、傷口への「刺激を避ける」ことも重要です。傷が治るまでの数日間は、唐辛子や胡椒などの香辛料、レモンやお酢などの酸っぱいもの、熱すぎる食べ物や飲み物は控えましょう。これらの刺激物は、傷口に染みて痛みを引き起こすだけでなく、炎症を悪化させる原因となります。また、気になって傷口を舌や指で触るのも厳禁です。傷の治りを遅らせるだけです。もし、痛みが強い場合や、傷口が大きく、なかなか血が止まらない場合は、自分で対処しようとせず、歯科や口腔外科を受診してください。適切な初期対応が、数日後のあなたの快適な生活を守ることに繋がるのです。