唇のカサカサ対策に欠かせないアイテム、リップクリーム。しかし、種類も多く、何となく選んで、ただ塗っているだけ、という方も多いのではないでしょうか。実は、リップクリームは、自分の唇の状態に合わせて選び、正しく塗ることで、その効果を最大限に引き出すことができるのです。まず、「選び方」です。リップクリームは、配合されている成分によって、主に三つのタイプに分けられます。一つ目は「保湿系」です。ワセリン、シアバター、セラミド、ヒアルロン酸などが主成分で、唇に油分の膜を作って水分の蒸発を防ぎ、潤いを保つのが目的です。日常的な乾燥予防には、このタイプが基本となります。二つ目は「薬用系」です。グリチルレチン酸などの抗炎症成分や、ビタミンEなどの血行促進成分が配合されています。すでに少し荒れてしまっている、軽いひび割れや皮むけがある、といった場合に、炎症を抑えながらケアするのに適しています。三つ目は「治療系」です。アラントインやパンテノールといった、荒れた唇の修復を促す成分が含まれています。ひび割れがひどい、ただれて痛い、といった、医薬品に分類されるもので、症状が深刻な時に頼りになるタイプです。自分の唇の状態に合わせて、これらのタイプを使い分けるのが賢い選び方です。次に、「塗り方」です。リップクリームを塗る際のポイントは二つあります。一つは、「縦方向に塗る」こと。唇のシワは、縦に入っています。横方向にゴシゴシ塗るのではなく、このシワに沿って、縦に優しく塗り込むことで、成分が隅々まで行き渡りやすくなります。もう一つは、「塗る前に温める」こと。特に冬場など、リップクリームが硬くなっている場合は、指先で少し温めてから塗ると、伸びが良くなり、唇への摩擦を減らすことができます。そして、塗るタイミングも重要です。乾燥を感じた時だけでなく、洗顔後や食事の後、歯磨きの後、そして就寝前など、唇の潤いが失われやすいタイミングで、こまめに塗り直す習慣をつけましょう。
リップクリームの正しい選び方と塗り方