上唇に口内炎ができやすい方は、日々のケアとして、優しく唇の血行を促進するマッサージを取り入れてみるのも一つの方法です。唇やその周りの血行が良くなることで、唾液の分泌が促されたり、粘膜の新陳代謝が活発になったりして、口内炎ができにくい健やかな状態を保つ助けとなる可能性があります。ただし、これはあくまで予防的なケアであり、すでに口内炎ができてしまっている時や、唇に傷がある時には行わないでください。症状を悪化させる恐れがあります。マッサージを行うタイミングは、リラックスできるお風呂上がりや、寝る前などがおすすめです。まず、手をきれいに洗い、清潔な状態にします。そして、薬用のリップクリームや、刺激の少ないワセリンなどを指先に少量とり、唇全体に優しく塗り広げます。これは、マッサージによる摩擦を減らし、唇を保護するためです。準備ができたら、人差し指の腹を使って、上唇の輪郭に沿って、中心から口角に向かって、くるくると円を描くように優しくマッサージします。力は入れすぎず、皮膚の表面をなでるような感覚で十分です。これを数回繰り返します。次に、上唇と鼻の下のあたりを、人差し指と中指の二本で、軽くタッピングするようにポンポンと優しく叩きます。これも血行促進に繋がります。最後に、両手の人差し指と親指で、上唇を軽くつまんで、優しく揉みほぐします。決して強く引っ張ったり、ねじったりしないように注意してください。これらのマッサージを毎日一分程度続けることで、唇が柔らかく、血色の良い状態になるのを実感できるかもしれません。もちろん、マッサージだけで口内炎が完全に防げるわけではありません。バランスの取れた食事や十分な睡眠といった、基本的な生活習慣の改善と組み合わせることで、より高い予防効果が期待できるでしょう。