3か月ほど前のことですが、食事中に右の耳の奥がズキッと痛むようになりました。最初は中耳炎にでもなったのかと思い、迷わず近所の耳鼻咽喉科を受診しました。ところが、先生に詳しく診察してもらった結果、耳自体には全く異常がないと言われてしまったのです。その際、先生から指摘されたのが、口を開閉したときの顎の動きでした。耳のすぐそばには顎の関節があるため、顎のトラブルが耳の痛みとして感じられることがよくあるのだそうです。そこで勧められたのが、歯科口腔外科への受診でした。恥ずかしながら、顎の不調で歯医者さんに行くという発想が私にはありませんでした。しかし、紹介された歯科医院へ行ってみると、問診の段階で思い当たる節がいくつも見つかりました。仕事に集中しているときに無意識に奥歯を噛み締めていたり、朝起きたときに顎が疲れていたりすることが頻繁にあったのです。先生は私の顎の動きを丁寧に観察し、レントゲンを撮って顎の関節の隙間を確認してくれました。診断名はやはり顎関節症でした。治療として提案されたのは、夜間に装着するマウスピースの作製でした。最初は寝るときに違和感があるのではないかと不安でしたが、自分の歯型に合わせて作られた透明なマウスピースは意外なほどフィットし、数日で慣れることができました。これを使い始めて2週間ほど経った頃、あんなに悩まされていた耳の奥の痛みが、嘘のように和らいでいくのを感じました。どうやら私は寝ている間にかなりの力で食いしばりをしており、それが顎の関節を圧迫して周囲の神経を刺激していたようです。何科に行けば良いのか分からず遠回りをしてしまいましたが、最初から歯科や歯科口腔外科を選んでいれば、もっと早くこの痛みから解放されていたかもしれません。顎関節症は、単に顎が鳴るだけの病気ではなく、今回のような耳の痛みや、時には激しい頭痛を引き起こすこともある恐ろしい疾患だと痛感しました。もし同じような症状で悩んでいる人がいたら、まずは自分の「噛み合わせ」や「顎の動き」を疑ってみることをお勧めします。現在も定期的に歯科に通い、噛み合わせのチェックを受けています。日常生活でも、意識的に上下の歯を離すようにしたり、硬いものを食べ過ぎないようにしたりと、自分なりに顎を労わる習慣がつきました。一時は食事をすることすら苦痛に感じていましたが、今では何の不安もなく美味しいものを食べられる喜びを噛み締めています。餅は餅屋という言葉がある通り、顎の悩みは口の専門家である歯科医師に相談するのが一番の近道でした。